”アイチ”60日巻き柱時計今回は昔の柱時計の修理です。今から30年以上前の柱時計で、製造元は愛知時計電機株式会社です。今は時計は作っていませんが、今でも社名に時計という名前が残っています。現在は水道やガスメーターで有名な会社です。
私が仕事に従事するようになった頃、”アイチ”の柱時計は販売されていました。その後、電池で動くタイプに移行し、クオーツ時計タイプが発売されるようになるとセイコー、シチズンに押されて時計製造から撤退しました。
当時の”アイチ”柱時計は30日巻き、60日巻き、30日巻きカレンダー付きなど、種類も多く販売されていました。”アイチ”の柱時計は”セイコー”の柱時計よりも売れていました。機械の構造もシンプルで、歯車の軸受けの磨耗も少なく修理もしやすい柱時計です。

画像は機械本体から付属品を外した状態です。向かって右が時計を動かすゼンマイと歯車です。向かって左が時打ちのゼンマイと歯車です。真ん中が時間を表す軸で、らせん状の部品は時打ちの回数を決める部品です。大きい所が1時で、一番小さい刻みが12時の時打ちをします。この後分解、洗浄、組み立てをして、ゼンマイと歯車の軸受けに注油します。

横から見た画像です。ゼンマイと時計を動かす歯車が見えると思います。専門用語では「運針」と言います。ゼンマイ式の柱時計の機械は真鍮を使っています。いま、ゼンマイ式の柱時計を作るとするとたぶん10万円以上の金額でないとできないのではないかと思います。

時間調整をして、1週間ほどで修理完了です。このタイプの修理代金は6,000円です。結構手間がかかりますが、修理料金はたぶんお手頃価格だと思います。古い柱時計も修理しますが、機械を見てみないとわかりません。お断りする場合や修理金額が高くなる場合があります。ブログを見て県外からお問い合わせがありますが、その後のアフターケアに対応するため、当店にお持ちいただけるエリアのかたに限ります。