東京都日の出町の福祉施策先日、昼食を食べながらテレビを見ていると、全国初の後期高齢者医療費の自己負担分を無料とする制度をスタートさせたと報道していました。東京都日の出町というところで、当時の米国レーガン大統領と中曽根首相がこの町の日の出山荘で会談したことでも有名です。この施策は先月4月1日からスタートしました。
番組では、全国初の制度を実施した青木 國太郎町長の一日を同行取材していました。とても80歳とは思えない元気で若々しい町長です。町職員から町長になり現在5期目で60年間、町のためにがんばっています。朝早く起きて1時間の散歩をして、マイカーを運転して、職員の方よりも早く8時には役場に登庁です。すぐに仕事にとりかかります。数字にも強くて、いろんなデータが頭に入っていてすらすら出てきます。青木町長は保守政治家ですが、いろんな立場の人の話をよく聞く政治家です。良いと思うことは実施する行動力もすごいことです。
日の出町は子育て支援策の充実と高齢者にやさしい日本一のまちづくりを目指しています。今回の後期高齢者医療費の自己負担分を無料が全国初で話題になっていますが、子ども1人につき月額1万円のクーポン(所得制限なし・15歳の中学校修了時まで)や能美市でも実施している、15歳の中学校終了時までの通院・入院医療費の自己負担分を助成。100歳になると100万円の長寿祝い金など次世代をになうこどもと今までがんばってこられた高齢者にやさしい福祉施策を実施しています。もちろん裏づけとなる財源が必要ですが、羨ましいと正直思いました。
医療介護CBニュースより引用
東京都の西に位置する日の出町は、約1万6000人が暮らす緑豊かな町だ。75歳以上の後期高齢者の医療費を無料とする制度をスタートさせて約1か月。全国でも初のこの試みについて、町と住民に聞いてみた。
後期高齢者医療制度の自己負担分を町が助成するもので、病院で診療を受けたり、薬局で薬の処方を受けたりした場合、その領収書を月ごとに役場に提出。後日、振り込みが行われる。町に3年以上住んでいることが助成の要件となっている。
日の出町はこれまでも、廃棄物処分場などの税収があったが、高齢者医療費の無料制度を導入したきっかけは、2007年11月の大型スーパーの開店。これにより、08年度に約3億3000万円の税収が入ったことが大きかったという。
町民課の須崎晴雄課長は無料制度について、「一部で財政的に維持できるのかという声もあるが、町の声はおおむね好評」と話している。町の人口は約1万6000人。このうち医療費の助成を受ける後期高齢者は4月1日現在、1629人となっている。町では今年度の予算として7500万円を計上したが、町内の高齢化率が30%を超え、高齢化がピークを迎える20年後の29年でも、助成の維持は財政的に問題ないとしている。同町では医療費の助成と併せ、後期高齢者が人間ドックを受診する場合も全額負担しているほか、健康管理・増進策に力を入れていく。
高齢者の健康教室も充実させており、町内にある4つの保健センターにおいて、保健士が健康指導をするのは2か所のみだったが、現在はすべてのセンターで、健康についての基本的な学習や相談、ストレッチ体操などを指導している。また、管理栄養士による栄養指導や運動指導員による健康体操も行っている。
医療費が無料になることによって後期高齢者が、用がなくても何となく病院に集まってしまう、いわゆる「サロン化」の懸念はないかと聞くと、須崎課長は「役場の各課が連携して、高齢者が集まれる場所をつくっていきたい」と答えた。高齢者が集まれる場所の一つが、無料で利用できる老人福祉施設。平井老人福祉センターでは、介護予防教室をはじめ、カラオケ、編み物、囲碁・将棋教室などを開催しており、1日に30人ほどの高齢者が集まるという。同センターの平田久男所長は「町は医療費無料だけでなく、老人福祉センターでも健康づくりや介護予防に取り組んでいる」と評価する。
医療費の無料制度について、町内の桜の名所という塩田耕地堤防の周辺で住民らに話を聞いた。後期高齢者の母親と妻の3人で暮らす61歳の男性は、確かにあった方がいい制度としながらも、「昨年、家族3人分の医療費が10万円を超えて医療費控除を受けられたが、それも受けられなくなってしまう。そう考えれば、1割程度では…」と、あまり満足していない様子。一方、70歳代の男性は、実感がないという。「ありがたいことに健康状態は良好。医者にかからなければ一番いい」。日の出町の隣にあるあきるの市から来ていた73歳の女性は、医療費の負担を増やさないよう、「いつも少しのことでは、医者にかからないようにしている」と明かした。「この先、大病を患ったらと考えると、日の出町の制度はうらやましい気がする」という。東京都日の出町