「金」は永遠に不滅です!
カナダのバンクーバーで2月12日から開催される冬季オリンピックの「金」メダルのことではありません。日本選手は前回トリノオリンピックで「金メダル」を1個獲得しました。フィギュアスケート女子シングルに出場した荒川静香さんで、1998年の長野オリンピック以来の金メダルです。日本選手が活躍してぜひ金メダルを獲得してほしいと思います。
金とプラチナと銀が宝飾品に使われる
金は金でも貴金属の「金」の話です。金は銀とともに古代エジプト時代から「貨幣」として認められ、使用してきました。この「金」に代表される「貴金属」には、金を含めて、プラチナ、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの8種類の元素があります。これらは貴重で大切な金属資源であることは共通していますが、耐酸・アルカリ性に弱いとか、展延性に欠けて加工するのに不向き、変色しやすいなどから、そのすべてを宝飾品主素材として使用することはできません。
この貴金属8種の中で、金とプラチナと銀の3種だけが宝飾品の主素材として適しています。宝飾品業界で貴金属という場合「金・プラチナ・銀」を指すことになります。3種の中で、「金」は、特に「世界共通の通貨」と呼ばれています。世界のどこの国でも全く同じ価値と評価が行なわれ、通用するからです。また、時代を超えた普遍性と換金性にすぐれていることも「世界共通の通貨」と呼ばれる理由です。
日本では18Kが多く使われる
「金」は純金では柔らかすぎることとキズや変形が生じやすく、削られて量が減ることなどから、銀や銅、鉄、白金、パラジウムを加えて”合金”として、硬さや強さを適度に増して細工しやすい状態に変えて、宝飾用に使用します。金の国内表示はカラット(K)で表し、純金は「24K」です。国際的には金の含有率は千分率で表します。日本では宝飾用として「18K」が多いですが、欧米では「14K」が主流です。
日本で「18K」が多く使われるのは①18Kより低品位の金合金に比べて変色や腐食に強い。②圧力腐蝕による割れに耐える性能に優れている。③皮膚や衣服に跡をつけるかの清華少ない。の3点によります。この「18K]は加える金属で色・名称が異なります。
よく使われるものに、
〇18Kイエローゴールド(金750:銀125:銅125)
〇18Kピンクゴールド(金750:銀45:銅175:ニッケル30)
〇18Kホワイトゴールド(金750:パラジウム150:ニッケル100)
最近では金とパラジウム合金が主流です。
金の価格はロンドンで決定
金は人類に最初に愛され、宝飾品を造るために使われたもっとも古い貴金属です。最近の金相場は上昇していますが、金の価格を決めるのはロンドン市場です。毎日午前と午後の2回、5大貴金属商がロスチャイルド社の”黄金の間”に集まって決めます。その価格がニューヨーク、チューリッヒ、東京など世界各国の市場に受け継がれ、毎日相場が立って一年中休むことはありません。金とプラチナは”1グラム”、銀は”10グラム”単位の値段が表示されます。
*アマルガム現象
水銀はほかの金属と溶け合って合金を作り易い性質があります。金や銀はアマルガムになりやすく、水銀に触れると灰白色に変色することがあるので注意が必要です。
[ 2010/01/22 15:47 ]
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